こんにちは、シゲルです。
アンケートにご協力いただき、ありがとうございます。
自重トレーニングで成果を出す為におさえておきたいマインドを動画にまとめました。
私が筋トレを始めた頃に知っておきたかった内容になります。
ここを把握しておく事で、当時の私よりも何歩も先を進んだ状態になる事ができますので、筋トレで『空回り』を防ぐことができます。
また、筋トレに関する情報を調べる上で『科学的根拠』も一概には信用できない理由とその対策も文章にて紹介します。
ぜひ、自重トレーニングのスタートダッシュにお役立てください。
【自重トレで成果を出すマインド~初心者が空回りを避ける為に必要な知識~】
腕立て伏せの動きになります。
勢いはつけずに『コントロール』を意識して、
- 2秒かけて下がる
- 一旦停止
- 2秒かけて戻す
を意識して行い、何回できるか試してみてください。
足上げ腹筋の動きです。
こちらは何秒体勢を保てるか測ってみてください。
動画の中で説明した筋トレの回数に固執した場合の落とし穴を数値化して考えてみます。
============
筋肉は回数を数えていない
============
筋肉をつけたい場合、負荷がかかっている時間が1セットあたり45〜60秒間が望ましいと言われています。
この負荷がかかっている時間のことをフィットネス業界では
タイム アンダー テンション
(TUT : Time Under Tension)
と言い、筋肉の発達に欠かせない要素の1つです。
また、これはただ単に45秒〜60秒の刺激を与えるということではありません。
筋肉に負荷をかけた状態を45〜60秒続けた時に限界を迎えてる必要があるということです。
例えば、腕立て伏せにおいて
1:下がるのに1秒
2:一旦停止で0.5秒
3:上がるのに1秒
4:一旦停止で0.5秒
とした場合、1回に3秒
かけて行うことになります。
その場合12回行なっても36秒なので、上の45~60秒の範囲外です。
これが12回やっているのに大きくならない理由の1つとなります。
対策としてはペースを遅くすること。
そしてこの時、
「ペースを遅くしたら、12回が達成できない」
「そうなると筋肉を大きくできない」
「数をこなすためにペースを早くしよう」
「あと2セット、残ってるから可動域をせばめよう」
という考えで筋トレをすると効果を出すのが難しくなります。
当時の私はこの数にしか意識を向けていませんでした。
回数に固執するあまり筋肉にかかる負荷の質を完全に見落としていました。
2セット目や3セット目の事を考慮して1セット目から若干手を抜いて行なうことで、トレーニングの質をかなり落としていたのです。
本来であれば質の高い負荷を与え続けた状態が45〜60秒間続いた結果として8〜12回という回数に繋がっていました。
しかし、いつのまにか回数だけが一人歩きし8〜12回をこなすことが目的になっていました。
この内容はテクニカルな事ではなく心構えの部分。
1つ1つの回数を大事に行うことの大切さを押さえていただけたらと思います。
「はやく筋肉をつけたい」
「はやく大きくなりたい」
その気持ちは痛いほどわかります。
実際私がそう感じて8〜12回3セットに固執していました。
結果、トレーニングの質が落ち、ガリガリから脱出することができない状態を長いこと経験しています。
考えを一新し、焦らずにコツコツと続けてきた結果ガリガリを卒業できました。
仮に1回1回を大切にした結果2セット目に目標回数が達成できなかったとしても、質の低いトレーニングを続けるよりは効果が全然あります。
回数にこだわり、トレーニングの質を落とすとどうなるか?
ちょっと数値化して見てみます。
手を抜かない回数を10とし、ペースを早めたり可動域を減らした場合はそれより数値が低くなるとします。
1回目:10
2回目:10
3回目:10
4回目:10
このままいったら
12回までいけない・・
5回目:7
6回目:6
7回目:5
8回目:5
後3回なら全力でいける
9回目:10
10回目:10
12回目:10
合計:93
本来であれば120が理想です。
2セット目、3セット目も同じようなスタンスで行うとどうなるか?
93 x 3 = 279ですが、それより低い可能性も大いにあります。
全て10で行えていたとしたら360です。
この360を得るために12回3セットの回数がはじき出されたのに回数にとらわれると本来の目的からそれてしまいます。
この数値の差は筋トレを継続すればするほど大きくなっていきます。
なので2セット目に負荷の調整をして1回1回をきちんとこなしても8〜12回できるように持っていきます。
仮に8〜12回できなかった
・7回だった
・14回できた
といった場合でもあなたの本気でおこなったトレーニングが無駄になる訳ではありません。
もちろん、動画でもお伝えした通り、最初から100%を目指す必要はありません。
まずは、行動にうつすこと。
そして継続すること。
そうしていくなかで、こういった要素にも目を向けながら徐々にトレーニングの質を高めていってください。
【科学的根拠を鵜呑みにできない理由】
身体づくりに関して情報を調べている際に一度は見かけた事のあるフレーズ。
それが
『科学的研究結果により〜』
という文面。
以前の私はこの言葉がついた情報であれば、比較的素直に受け入れていた部分があります。
でも、今はそうではありません。
この情報の信頼性は『科学的研究結果』に+αが必要だと感じています。
科学者だって私たちと同じ『資本主義社会』の中にいます。
それはつまり、資本(お金)を持つものの意図にそったを研究結果を求められる可能性が大いにあるということです。
その例の一つが『脂肪は悪』という概念。
脂肪は体にとって悪ですか?
今、巷には
- 無脂肪
- 低脂肪
をうたった商品がたくさんありますよね?
いったいなぜ、そこまで『脂肪』を避けた商品があるのでしょうか?
人間の三大栄養素は
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂質
です。
もし、
『脂肪を食べる=体脂肪の蓄積』
と認識していたら要注意です。
脂質はきちんと摂取する事で筋肉をつける際の大きな味方になってくれます。
ここで三大栄養素のそれぞれの大まかな役割をざっくりと紹介します。
- タンパク質:筋肉の素材
- 炭水化物:素材の使用を促す
- 脂質:筋肉を作れと命令をだす
そう考えると、脂質も悪者あつかいできなくなります。
脂質不足はテストステロン(男性ホルモン)の分泌を低下させます。
男性ホルモンは筋肉をつける上で大切な役割。
つまり、これが低下すると、筋肉がつきにくい状態なってしまうのです。
ただ、脂質は高カロリーで、取りすぎは体脂肪の蓄積を招きますので上手に摂取する必要があります。
そして、炭水化物にはインスリンの分泌を促す作用があります。
このインスリンは筋肉細胞のドアを開ける鍵の役割。
そうして開いた細胞内にタンパク質(筋肉の素材)が取り込まれる事で修復され超回復の助けを促してくれます。
つまり、これら3つ全て筋肉をつけて行く上で欠かせない栄養素。
それなのに、脂質に関してはどことなく悪者としてのレッテルが貼られています。(最近は炭水化物まで・・)
脂質が太りやすいと認識されているのは、他の二つよりも1gあたりのエネルギー量が多いから。
つまり、少ない量でより多くのエネルギーを生み出す事ができます
私の体は生きているだけでエネルギーを消費し続けています。
- 呼吸
- 血液の循環
- 体温の維持
- 筋肉を動かす
- 脳を働かせる
などなど、常にエネルギーを消費しているのです。
脂質は少ない量でこうした行動を支える燃料(エネルギー源)となります。
(脳に限って言えば炭水化物由来のエネルギーのみ)
タンパク質や炭水化物に比べて半分の量でも、より多くのエネルギーとなるのです。
ただ、現代社会ではあまり体を動かしてエネルギーを使う事がありません。
その為、脂質を摂取するとエネルギーが余りやすい為、その分のエネルギーが体脂肪として体に蓄えられるのです。
でもご存知ですか?
「ライオンを倒して一人前の大人」
という価値観の社会で生活しているアフリカのマサイ族。
彼らの食事内容は家畜の血と肉と乳製品を主体とした高脂肪。
彼らの摂取カロリーの3分の2は脂質からきているとも言われています。
巷で売られているサプリや特保のような「健康」食品ではありません。
それでも、彼らは細い体型を維持しています。
→彼らの体型
ちなみに、北米の先住民族であるイヌイットもアザラシやクジラ、カリブーといった肉と脂質を主体としたものでした。
それでも彼らは心臓病、心臓疾患など循環器系の病気に悩まされていたわけではありません。
ここで脂質を悪者に仕立て上げた人を一人紹介します。
彼の名前はAncel Keys(アンセル キーズ)という学者です。
1960年ごろのアメリカでは砂糖販売会社が専門家達にこぞってお金を払い、
「砂糖摂取と心臓疾患の関係性を否定し、逆に脂肪を悪者にしてほしいと頼みました」
そうした環境下でアンセル・キーズが発表した研究がこちら、

右軸が摂取カロリーに置ける脂質の割合。(パーセンテージ)
縦軸が死亡率です。(死亡した1000人中の死因が心臓疾患)
※2つの線の違いは年齢
- 55〜59歳
- 45〜49歳
このように脂質の摂取が高いほど心臓病によって死亡する人が多いと発表しました。
しかし、後からわかった事ですが、彼はこのような結果がでるようになる7カ国を選んで発表したのです。
彼がその研究結果で発表しなかったのがこちら

○は砂糖の消費量、●は脂質の摂取量を表しています。
※参照サイト:DietDoctor
このように脂質の摂取の多い国では同様に砂糖の摂取も多かったのです。
この表にはないのですが、チリは脂質の摂取が低いのにも関わらず心臓疾患の死亡率が高かったりオランダは高脂肪でも死亡率が低かったりしたのです。
調査した国全て22カ国を考慮した時に高脂肪=高い心臓疾患という結果には
ならなかったのです。
何を伝えたいのかというと、『科学的研究結果』といった場合でも、このように結果の操作ができてしまう事実。
そしてそれが発表されるメディア媒体が
- テレビ
- 新聞
- 雑誌
であれば、広告主がいます。
広告主が望めばこうした操作された研究結果でもどんどん世に流れます。
フィットネス関係の研究結果でも同様のことが言えると思いませんか?
動画内で少し案内した、『ゴールデンタイム』
プロテインを推奨する理由としては、ゴールデンタイムはとても都合が良いですよね。
筋トレ後30分以内、食事をすぐに取れる環境ってなかなか無いですから・・・
私自身はゴールデンタイムは気にしていません。
それでも自分が望む形で結果が出ています。
そして、世の中にはプロテインを飲まず、ゴールデンタイムに縛られずにちゃんと結果を出している人たちがいます。
ここでは2人ほど紹介します
1:ダニーカバドロ(Danny Kavadlo)
この投稿をInstagramで見る
彼はニューヨークでパーソナルとレーナをしている方で、私が自重トレーニングにハマったきっかけの”Convict Conditioning”の出版社の公認トレーナー的存在。
出版社が主催する自重トレーニングのセミナーコーチとしても顔もあります。
私がそのセミナーに参加した時、いろいろお話を聞きましたが
『俺、サプリなんか使ってないよ』
『どんな「高品質」プロテインよりも自然食品の方がマシ』
というスタンス。
彼は40歳を超えていますが、素晴らしい肉体と身体能力を持っていて、さらに食べ物に関する嗜好も同じなので、とても参考になります。

2:Darrek Wos
この投稿をInstagramで見る
CaliathleticsというYoutubeチャンネルを持ちつつも、自身でオンラインコーチなどもやられている方。
彼も動画の中で
『プロテインは使ってないよ』
『プロテインは別に必須では無いよ』
と発言しています。
これは私の感覚ですが、筋トレ系のインフルエンサーがプロテインを紹介しまくるスタンスと目立つ理由は、彼ら企業の利害が一致しているからだと思います。
上にあげた二人は、『筋トレを教える』ということで生計をたてています。
対して、筋トレ系インフルエンサーはサプリを紹介することで『紹介料』を受け取るビジネスモデル。
フォロワーの多いインフルエンサーに紹介してもらうことで、企業も自社商品が認知されるので、お互いwin-winな関係。
で、何をお伝えしたいのかというと、こうしたサプリ系の企業も科学者にお金を払って研究をしてもらっている可能性が大いにあるということです。
『じゃあ、結局何を信じたら良いの?』
と思われるかもしれません。
私自身が行なっているのは
- 身元が明らかな人
- 筋トレで結果を出している人
- 自分の価値観と同じ人
(自分にとって再現性の高いやり方)
の3つを満たしている人が紹介している情報・科学的論文を信用するスタンスになりました。
時折、科学的研究結果のみを紹介して自分の身体は晒さない人がいますが、それでは説得力が無いと私は感じます。
机上の空論になってしまう可能性が高いと感じるからです。
逆に私と同じ価値観の人が行なっている方のトレーニング手法が、
- 特定の科学的研究結果にもとづいて行われている
- そして身体つきからも結果がでているのがわかる
という場合は、信用度があがると感じるからです。
そして、一度『この人のやり方を参考にしよう』と決めたら、あれこれ情報をさがしまわらずに最低3ヶ月はその人のやり方を真似ます。
情報に溢れている今だからこそ、あえて絞ることはとても大切だと感じます。
ちなみに、脂質は大切な栄養素ですが摂取する種類や方法に注意が必要です。
今回はトレーニングで効果を上げるための『心構え』の部分になりますので、脂質の摂取方法については、また別の機会にお伝えしますね。